Studio Bass Amp
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Review

池田達也氏 Jazz Life(2006/5月号)に掲載された試奏レポート

池田達也

低域が豊かで中低域もまろやか。
高音から低音までのバランスも良く、サイズを超えた音のクオリティを実現

フィル・ジョーンズ・ベース(以下PJB)のベース・アンプは、「高音域から低音域までのバランスの良さ」や「音の粒立ちの良さ」 「ヌケの良いクリアなサウンド」で、発売開始から瞬く間に人気ベース・アンプの仲間入りを果たし、ベーシストたちの認知度も高まってきているようです。

僕自身も、PJBの小型高性能ベース・アンプ”ブリーフケース”を発売と同時に入手し、スモール・コンボでのライブやレコーディングなど、さまざまな場面で愛用しています。 その高品位なサウンドは、共演のミュージシャンや音響エンジニア達からも好評を得ているのですが、バンド全体の音量や演奏場所の状況によっては、 「もう少しパワーがあったらイイのになぁ・・・・」「もうチョッと低音が出れば最高なんだけど・・・・」などと感じることもありました (サイズを考えると充分過ぎるほどの音量と低音の鳴りなんですけど・・・・)。一方、上位機種の”シックスパック”は、コンボ・アンプでありながら、 大型のセパレート・システムにも負けないパワフルなサウンドと地を這うような重低音が魅力的なのですが、37.5kgという重さゆえ、階段での搬出入の際には労力を要します。 ですから、”ブリーフケース”の可搬性と“シックスパック”のパワーと低音の魅力を兼ね備えたようなモデルの登場を待ち望んでいたのは、僕だけではないでしょう。

“スーツケース”は、まさに”ブリーフケース”を2台並べたような大きさながら、しっかりとしたエンクロージャーの作りと前面に向いたバスレフ構造により、 低域が豊かで、中低域にもまろやかな感じがあります。高音から低音までのバランスも良く、サイズを超えた音のクオリティには驚かされます。
“シックスパック”のサウンド・クオリティをキープしたまま、効率の良いダウンサイジングに成功しているようで、同程度の大きさのアンプの中では群を抜く存在だと 言っても過言ではないでしょう。”スーツケース”のディープ&メロウなサウンドは、ウッド・ベース(以下WB)やフレットレス・ベースとの相性も良いのですが、

池田達也

フレッテッドのエレクトリック・ベースでの激しいスラップ(チョッパー)においてもスピーカーが“ヘコタレル”ことがなく、スラップ時のプルのサウンドもイイ感じです。
高域のヌケの良さがありつつも、ツイーターがないせいか、WBをアルコ(=ボウ、弓)で弾いても、ノイジーなサウンドになりません。 実は、早速“スーツケース”を実際のライウ゛でも試してみたのですが、音量や低音に不足を感じませんでしたし、音ヌケもイイ感じでした。 PJBに共通したハイ・クオリティなサウンドは、”スーツケース”にもしっかりと受け継がれていますから、”ブリーフケース”や”シックスパック”でPJBサウンドに 惚れ込んだ方には、試す価値のあるアンプだと思います。

さらに”スーツケース”は、それぞれに入力ゲインと5バンド・イコライザーを備えた2チャンネル仕様ですから、エレクトリック・ベースとWBの持ち替えや、 タイプの違うベースの持ち替えもスムーズです。WBで2種類のピックアップを併用する場合にも重宝するでしょう。 その他、PJBのアンプに標準装備されたスタジオ・クオリティのコンプレッサーをはじめ、使用時にはスピーカーがミュートされるヘッドフォン・アウト、 グランド・リフト付きのD.Iアウト、ライン・アウト、エフェクト・ループ、チューナー・アウト、そして、拡張用スピーカーが接続可能なエクステンション・ スピーカー・アウトなど、入出力端子の充実装備も見逃せません。

池田達也氏 からのコメント

池田達也
三村奈々恵さんというマリンバ/ヴァイブラフォン奏者の
コンサートの本番直前に撮影した写真です。

PA(音響)に送る際に、PAサイドから、「エレキ/ウッドでは、音量&音質面の差が激しいので、LINEの回線は分けて欲しい・・・。」とのリクエストがありましたので、 エレキは、D.I.(アヴァロンU5)でPAに送り、写真には写っていませんが、ウッドはL.R Baggs のPara Acoustic D.I. を使用して、手元でEQした音をPAに送りました。 かなり積極的なイコライジングが行える点でも、Para Acoustic D.I. には重宝しています。

ベースの音に関しては、PAスピーカーからの音を会場で響かせるのではなく、SUITCASEのアンプの音を、そのまま会場で響かせるようにしました。 客席で聞いていた知人からは、「エレキ/ウッド共に、バランスの取れていて、凄くイイ音してたよ・・・。」との報告を受けました。

SIX-PAKの場合も同様、SUITCASEも、音ヌケ、音のバランスが良いので、アコースティック楽器のとの、音の混じり、バランスも悪くないと思います。 大きな会場や、バンド全体がよほどの大音量でない限り、SUITCASEの音をそのまま会場で響かせた方が、良い結果となる事も多いようです。

別件で、あるコンサートのリハーサルの際、SUITCASEのEXT.スピーカー・アウトより、スタジオに置いてあった、他社のスピーカー・キャビネットに接続してみたのですが、 良い結果は得られませんでした。他社のベース用スピーカーと比べ、音のバランス、音のスピード、レスポンスの点で、PJBのドライバーの方が勝ってしまう為、 増設したスピーカーとの“音の混じり”が悪く、サウンドがブレンドしないんです・・・。やはり、PJB製品のスピーカー増設には、PJBドライバーが最適なようです。 ですので、SUITCASE用のエクステンション・スピーカーの登場を楽しみにしております。

SUITCASEにスピーカーを増設する事が出来れば、大音量のバンドでも、ストレスの無いプレイが行なえる事は間違いないでしょう。

p.s.
ちなみに、写真には写っていませんが、足元には、HAOのLAV BOXが置かれています。LAV BOXは、ウッドのピチカート/アルコ(=ボウイング、弓奏)の奏法に応じて、 切り替えて使用しています。LAV BOX付属のケーブルを使用すると、音量が変わるだけではなく、音色も若干甘くなるので、僕には好都合なんです。

池田 達也