Digital Power-Tube Sound

  • トップ
  • イメージ
  • スペック
  • レビュー
  • 比較

Review

池田達也氏が語るPJB最新アンプD-600

池田達也

デジタルを感じさせない音の太さが魅力ですね。

正直申しまして、D-600 のサウンドを実際に聞くまでは、見た目の印象や同じデジタル・アンプという事でPJB の小型軽量アンプヘッドD-200 と同じ傾向のサウンドなのだろうかと、過度な期待を寄せていなかったのですが、想像を遥かに超えるハイ・クオリティなサウンドと完成度の 高さに大きく予想を裏切られる結果となりました。以前よりフィル・ジョーンズ氏が2チャンネル仕様のデジタル・アンプヘッドを開発中である事は 伺っていましたし、プロトタイプがNAMM ショーで発表され、その登場を“ 首を長~く” して待ち望んていたのは僕だけではないでしょう。
今回、実際に音を出してみて、「待っていた甲斐があった!」と素直に嬉しく思ったと同時に、何度も改良を重ねられ、満を持しての発表である事が 伝わってきて、エンジニアとしてのフィル・ジョーンズ氏のポリシーにも感服した次第です。出力が増した事とも関係するのでしょうが、サウンドに スピード感があり、先述したD-200 と比べ細かなニュアンスのピッキングに対する追随性、俊敏性が格段に向上しています。ロー・レンジのみならず、 ミッド・レンジも豊かで、大型で重量のあるチューブ・アンプに通じる“ ブリッ” とした感じのハイ・ミッド・レンジあたりの心地良い鳴り方は、 僅か3kg の重さのデジタル・アンプという事が信じられないほどです。サイドから垣間見えるブルーの光が、まるで未来のチューブの様にすら思えて しまいました・・・。(笑)豊かなミッド・レンジのせいか、フェンダーなどのパッシブ・ベースとの相性が良く、PJB の誇るクリアーでクセの無い サウンドは例外なく継承されています。

PJB のフラッグシップ・アンプヘッドのM-500 が音に妥協を許さないハイエンド・オーディオ的だとするならば、可搬性にも優れたD-600 はよりカジュアルな アンプだと言えるでしょう。M-500 は3バンド・パラメトリックEQ に加え、12 バンド・グラフィックEQ も装備され細密なサウンド・メイクが行える反面、 ビギナーに対しては操作性の難しさも否めなかったのですが、D-600 では5-バンドEQ による直感的なサウンド・メイクが行えるでしょう。

D-600

D-600 は、AUX・イン、ライン・イン、ヘッドフォン・アウトと、入出力端子の充実度に加え、それらがフロント・パネルに装備されている操作性の良さも魅力的です。 バックパネルにはエフェクト・ループやD.I. アウトに加えて、プリアンプ・アウトも装備されていますから、リミッターを備えた2チャンネル仕様の高品位プリアンプ としてパワード・キャビネットのPB-300 等と組み合わせての使用も可能なのが嬉しいですね。小型軽量かつハイパワーというのが、近年のアンプ・ヘッドのトレンドですが、 充実した入出力端子による用途の広さという点では、先発されている同系統のアンプ・ヘッドの中でも群を抜く存在だと言えるでしょう。

僕自身、これまでもPJB の独創性、先進性を感じてきましたが、D-600という新たなホープの登場によりPJB への愛着度や信頼度が更に深まりました。 やっぱり、お世辞抜きで僕はPJB が好きですね!